お墓参りというと、お盆やお彼岸を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際、お墓参りに適した時期、タイミングっていつなのかご存知ですか?
「お墓参りっていつ行くべきなの?」
「お墓参りに適した時間帯を知りたい」
「してはいけないことってあるの?」
他にもこのような疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこでこの記事では、お墓参りに適した時期や時間帯、お墓参りに行く前に覚えておくべきことについて、詳しく解説していきます。
そもそもお墓参りに行く意味とは?
この記事を見ている方の中には、「そもそもお墓参りって何のために行くの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃいますよね。
仏教の世界では、
・お墓参り=故人の冥福を祈る儀式
として考えられています。
つまり、生前お世話になった方に感謝の気持ちを伝え、「安らかにお眠りください」とお祈りするために、お墓参りをするのです。
お墓参りに行く時期はいつがいい?
では次に、お墓参りに適した時期について詳しく解説していきますね。
ただ、「この時期に行かなきゃいけない」というルールや決まりはなく、自分が行きたいと思ったタイミングでお墓参りをするのが一番良いと言われています。
これから紹介する時期については、あくまでも「推奨時期」「目安時期」になります。
命日
お墓参りには、個人の命日に行くのが良いと言われています。
命日には、
・祥月命日(しょうつきめいにち)
・月命日
があります。
祥月命日というのは、故人がなくなった日と同じ月日のことです。
例えば、10月10日に亡くなった場合は、毎年10月10日が祥月命日となります。
月命日というのは、故人が亡くなった日にちのことです。
10月10日が故人の命日であれば、10月以外の毎月10日が、月命日となります。
お墓参りの時期で悩んでいる方は、故人の祥月命日や月命日を1つの基準にしてみると良いでしょう。
お彼岸
お彼岸というのは、春分の日と秋分の日の前後3日のことを指します。
仏教の教えによると、お彼岸はあの世とこの世との距離が最も近くなる時期と言われているため、お墓参りには最適と言えるのです。
お彼岸は合計で7日間ありますが、春分の日と秋分の日は「中日」と呼ばれ、最もあの世との距離が近くなると言われていますので、ご先祖様にしっかりと挨拶したい方は、中日にお墓参りをしましょう。
お盆
ご先祖様があの世から帰ってくるお盆も、お墓参りに最適と言えます。
地域によっては、7月の13日から16日、または旧盆をお盆とすることもありますが、一般的には8月の13日から16日がお盆と考えられています。
基本的には、お盆の初日である8月13日にお墓参りをするのが良いと言われているのですが、13日以外でも全く問題ありません。
年末年始
家族が集まる年末年始も、お墓参りに適した時期です。
どの会社も年末年始は休みになることが多いため、普段なかなか休みが取れない方でもお墓参りに行きやすいといえますね。
ただし、
・12月29日
・12月31日
は、あまり縁起が良くないと言われています。
その理由は、12月29日(二重に苦しむ日)、12月31日(お通夜を連想させる日)として考えられているからです。
これらはあくまでも言い伝えですので、絶対にお墓参りをしてはいけないというわけではありませんが、気になる方は上記の日にちを避けてお参りしてみると良いでしょう。
お墓参りに適した時間帯っていつ?
では次に、お墓参りに適した時間帯について、詳しく解説していきます。
最も適しているのは午前中
お墓参りに最も適しているのは、午前中と言われています。
なぜなら、お墓参りは最も優先して行うべき事柄だと考えられているからです。
また、
・閉園時間が決まっている寺院や霊園もある
・墓石や周辺の掃除に時間がかかる
ということも、午前中にお墓参りをするべき理由の1つです。
近年は午後にお墓参りをする人も増えている
以前までは、お墓参り=午前中に行くものとして考えられていて、午後にお墓参りをすると非常識と言われることもありました。
しかし、近年は午後にお墓参りをする方も増えてきていますので、あまり深く考えすぎる必要はないと言えます。
遠方に住んでいる方や、仕事を休めない方などもいらっしゃると思いますので、ライフスタイルに合わせてお墓参りをするようにしましょう。
日没以降のお墓参りが推奨されていない理由は?
お墓参りの時間帯は、午前中が望ましいと言われていますが午後でも全く問題ありません。
ただ、日没以降のお墓参りについてはあまりおすすめできません。
その理由について、詳しく見ていきましょう。
ケガのリスクがある
日没以降のお墓参りをすると、ケガのリスクが高くなります。
霊園や寺院には階段があったり、石段があったりしますので、転倒してしまう可能性が高くなるのです。
掃除が大変
お墓参りの際は、墓石や周辺の掃除をすることが多いのですが、日没以降に行ってしまうと、周囲が全く見えない状態になりますので、掃除が大変になります。
かろうじて手元が見えるとしても、丁寧に掃除を行うのは難しいでしょう。
また、墓石や周辺の掃除にはかなりの時間がかかりますので、じっくりと掃除を行うためにも、午前中あるいは日が差している時間帯に行くことが大切なのです。
魑魅魍魎の言い伝えがある
日没以降にお墓参りをすると、魑魅魍魎(ちみもうりょう)というお化けが出ると言われています。
これはあくまでも古くからの言い伝えですので、そこまで気にする必要はありません。
ただ、辺りが真っ暗な状態で墓地や霊園に行くわけですから、あまり良い気持ちはしませんよね。
清らかな気持ちで安全にお参りをするためにも、日没ではなく午前中や午後の時間帯を選ぶようにしましょう。
お墓参りの前に覚えておくべきこと
最後に、お墓参りの前に覚えておくべき注意点を2つだけ紹介していきます。
ついで参りはNG
先ほども解説しましたが、お墓参りは何よりも優先すべき事柄です。
・買い物のついでにお墓参りをする
・近くに寄ったついでにお参りする
というのは、「ついで参り」と呼ばれるNG行為です。
どうしてもその時間にしか行けない場合や、朝早くに用事がある場合は仕方ありませんが、できる限り早朝もしくは午前中の早い時間帯に、何よりも優先してお墓参りを行うようにしましょう。
一人で行ってはいけないというのは迷信
一人でお墓参りに行ってはいけない、という噂を耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
一昔前は、ひとけがのない山奥や足場の悪い場所にお墓が建てられることも多く、安全面の理由から「一人で行ってはいけない」という風習ができたと言われています。
中には、「一人で行くと魂を持っていかれる」「一人で行くと幽霊に出くわす」という認識を持っている方もいますが、これは大きな勘違いです。
ご先祖様に伝えたいことがある場合や、スケジュールの関係で一緒に行く人が見つからない場合は、迷信や噂などを気にすることなく、一人でお墓参りに行きましょう。
まとめ
お墓参りに適した時期や時間帯、お墓参りの前に覚えておくべきことについてお伝えしてきました。
最後に、まとめとしてもう一度おさらいしてみましょう。
【お墓参りに行く時期】
- 命日(祥月命日・月命日)
- お彼岸
- お盆
- 年末年始
【お墓参りに適した時間帯】
- 最も適しているのは午前中といわれている
- 近年は遠方に住んでいる、仕事を休めないなどの理由から午後にお墓参りをする方も増えいる
- 日没以降のお墓参りは推奨されていない
以上のように、お墓参りに適した時期や時間帯はありますが、明確なルールはありません。
ただし、お墓参りは何よりも優先すべき事柄と言われていますので、「ついで参り」はできる限り避けましょう。
お墓参りは“行くこと”に意味がありますので、ご先祖様のことが頭に浮かんだ時や、伝えたいことがある時など、自分が行きたいと思ったタイミングでぜひ出かけてみてくださいね!