お彼岸の期間にやってはいけないことって何?行事やお墓参りについても解説

お彼岸 タブー1

お彼岸の時期にお祝い事をするのは縁起が悪いと聞いたことはありませんか?

仏教行事なので、タブーについて気になるという方もいらっしゃいますよね。

ところで、ちまたで言われているお彼岸にやってはいけないことは、本当なのでしょうか。

この記事では、具体的な例をあげて、お彼岸の時期にやってはいけないことについて詳しく解説していきます。

「お彼岸には避けた方がいいのかな?」
「なんの根拠があるのか知りたい」

という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

お彼岸の期間はいつからいつまで?

お彼岸は、3月の春分の日と9月の秋分の日を中日として、その前後3日間を合わせたそれぞれ7日間になります。

仏教の教えでは、煩悩の世界であるこの世(此岸)から悟りの世界(彼岸)へ達するために修行をする期間とされてきました。

あの世とこの世が最も近づくとされるお彼岸に、ご先祖様に感謝をしてお墓参りをし、日頃の自分の行いを見つめなおす期間としても古くから根付いてきた風習です。

お彼岸にやってはいけないことって何があるの?

一般的に、近親者が亡くなってから四十九日法要が終わるまでは「喪に服す」期間ですよね。

喪に服すというのは身を慎むことから、この期間はお祝い事に参加すべきではないというのが常識となっています。

ただ、お彼岸は仏教の年中行事の一つで身を慎む期間ではないため、原則的にやってはいけないことはありません。

では、なぜ避けたほうがいいと言われるお祝い事などがあるのでしょうか。

それぞれの理由と一緒に具体的にみていきましょう。

結婚式・結納

お彼岸中の結婚式や結納は、縁起が悪いということはなく、仏教的にも問題ありません。

ただし、お彼岸にはお墓参りや法要などがあり、家庭によってはお供え物や精進料理の用意などで慌ただしい時期。

その上、ご先祖様の供養をするためのお彼岸であることから、お祝い事は気がひける、または避けるべきだと感じる方もいらっしゃるようです。

どうしてもお彼岸の時期に結納、招待状の送付なども含め結婚関連の行事を行いたい場合は、中日を避けたり家族や親戚へきちんと説明したほうがよいでしょう。

引っ越し・引っ越し祝い

仏教では、引越しや引っ越し祝いをお彼岸中にしてはいけないという教えはありません。

ただし、お彼岸の本来の目的は、ご先祖様の供養をすることなので、生きている人間よりご先祖様を優先するべきという考え方があります。

わざわざこの時期に引っ越しをしなくてもいいのにと、よく思わない方がいるのも事実です。

できれば引っ越す時期をずらしたり、できる範囲でお彼岸の供養を行う方がよいかもしれませんね。

また、引っ越し先のご近所への挨拶にも気をつけましょう。

お彼岸に引っ越しをしてはいけないと信じている方へのお彼岸中の挨拶は驚かれてしまうかも。

気になる方はお彼岸前に挨拶をしておくと安心ですね。

お彼岸 タブー1

お見舞い

仏教としてタブーではないものの、注意したいのがお彼岸期間中のお見舞いです。

お見舞いされる側の方の中には、お墓参りなどでご先祖様を供養する時期にお見舞いをすること自体が、「縁起が悪い」または「失礼な行為」と感じる方もいるかもしれないからです。

お見舞いの気持ちが、全く反対のものと受け取られてしまうこともありますので、かしこまった相手であれば避けておくのが無難かもしれません。

どうしてもその日でなければお見舞いに行けない場合は、相手との関係性にもよりますが、あらかじめお彼岸にいくことになった事情を説明しておくことをおすすめします。

車の納車

お彼岸は弔事(死去やご葬儀などのお悔やみごと)ではないので、お彼岸に納車をすること自体は縁起が悪いわけではありません。

ただ「お墓参り=弔事」と考えて、この時期に納車すると事故を起こすという迷信を信じてしまう方もいらっしゃるようです。

もともと車の納車は日取りを選ぶことができるため、大安吉日などの縁起の良い日を納車日にする方が多いですよね。

実は、仏教には「吉日」という考え方はなく、納車日をお彼岸の時期に設定しても縁起にかかわるということはないのです。

どうしても気になる場合は、車のお祓いを受けたり、お墓参りのときにご先祖様に新車の購入を報告して感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

神事

昔から「仏事(葬儀・法事・お墓参りなど)」と「神事(お宮参り・七五三・上棟式など)」を一緒にするのはタブーと言われています。

神道において死は穢れ(けがれ)とされ、仏事と神事を一緒にしてはいけないと考えられているとか。

ただ、仏教においては、他の行事を避けるべきという根拠は特にありません。

実際、伊勢神宮などの神社では、春分の日や秋分の日のお彼岸の時期に行事が行われていますし、もともとは神道と仏教は習合(神道と仏教が融合して信仰されること)していたこともあり、必ずしも一緒にしてはいけないことではないといえます。

大切なのは相手への配慮

ここまで「お彼岸にやってはいけない」と言われていることを見てきましたが、お彼岸は縁起の悪い時期、喪に服す時期ではなく、どれも仏教的にやってはいけないとされていることではないという事でしたね。

はっきりとした根拠はわかりませんが、他の行事が入ると慌ただしくなって、本来の目的であるご先祖様の供養がおろそかになってしまうことから、避けられてきたのかもしれません。

タブーではないとはいえ、各家庭での供養の時期ですから、忙しい時期に行事が重ならないように配慮することが大切ということですね。

また、お彼岸にお祝い事を嫌がるご年配の方がいらっしゃいます。

家族や親戚など周りの方との関係性が悪化しないよう、しっかり話しておきたいものですね。

お彼岸にやってはいけない「お墓参りのマナー」

お彼岸中にやってはいけないことは基本的にありませんでしたが、お墓参りの際にやってはいけないとされていることがあります。

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ロウソクや線香の火を息で吹き消さない

仏教においてロウソクや線香の火を息で吹き消すことは禁忌とされています。

ロウソクの明かりやお香は仏様にお供えする清浄なもの。

それに対して、人間の口は悪いものを生み出す不浄なものだとされ、口から出た息は穢(けが)れたものであると考えられているのです。

また、息で吹き消すと灰が散らばることもありますから、手で仰いで消すようにしましょう。

墓石にお酒やジュースをかけない

故人がお酒好きだった方であれば、供養のため墓石にかけてあげたくなるかもしれませんが、実はこれもNGです。

お酒だけでなくジュースなどをかけると、シミや変色、カビが生える原因となってしまいますし、お酒やジュースには糖分が含まれているため、虫が寄ってくることも。

お墓を末永く綺麗に保つためにも、湯飲みやコップなどに注いでお供えすることをおすすめします。

また、缶ビールや缶ジュースなどでお供えするときは、蓋を開けなくても缶の跡が石に残りますので持ち帰りましょう。

毒のある花や花粉が多い花には気をつける

仏花として売られているものであれば問題ありませんが、自分でお花を選ぶ場合には気をつけたいお花があります。

一般的に生花をお供えする場合、彼岸花、水仙、すずらん、チューリップなど毒のある花は、毒が死を連想させることから、お墓参りに限らず仏事全般で避けた方がよいとされています。

周囲の方に害が及ぶ可能性があるため、控えるようにしましょう。

また、ユリのように花粉が多いお花の場合、墓石についてしまった花粉はなかなか落ちず、汚れが残る可能性がありますから、あらかじめ花粉を取っておくことをおすすめします。

お供え物をお墓に残して帰らない

食べ物や飲み物のお供え物は持ち帰るようにしましょう。

お墓にそのまま放置しておくと、腐って悪臭や害虫が発生したり、カラスや野生動物に墓地が荒らされてしまうからです。

もしも墓前や墓地内の休憩所などに飲食できるスペースがある場合は、ご先祖様や故人を偲びながらお供え物をいただきましょう。

実は、お供えした食べ物を分かち合って食べることは供養の意味合いがあります。

なお、墓地で飲食できる場所がないときは、お墓参りの後に持ち帰って召し上がってくださいね。

彼岸花を持ち帰らない

基本的にタブーはないとされるお彼岸ですが、彼岸花(曼珠沙華 (まんじゅしゃげ))は持ち帰らないほうがいいといわれています。

毎年秋のお彼岸の頃になると、田んぼのあぜ道や墓地の土手などに咲く真紅の花ですが、この彼岸花を家に持ち帰ると火事になるという迷信を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は彼岸花の球根には強い毒があり、それを利用して土を掘り返す動物への対策として農地のあぜ道や土葬を行っていた墓地に植えていました。

だだ万が一、子どもが誤って口に入れてしまうと死に至ってしまう恐れがあります。

そのため、彼岸花の真っ赤な姿を火事になぞらえて、「持ち帰ると火事になる」という戒めが伝えられてきたようです。

まとめ

ここまで「お彼岸の時期にやってはいけない」と言われていることについて、実際どうなのか解説してきました。

結論として、お彼岸はご先祖様の供養を通して自分自身を見つめ直す機会であり、喪中の期間のように以下のような祝い事などを避ける根拠は特にないということ。

  • 結婚式・結納
  • 引っ越し・新築祝い
  • お見舞い
  • 車の納車
  • 神事

ただ、仏教上で根拠はなくても、やるべきではないと考える人もいらっしゃいます。

お彼岸中にお祝い事などをする場合には、故人をしのぶ時期にしたいという相手の気持ちへの配慮を忘れないようにしたいものですね。

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