恋愛がうまくいかない、金運に恵まれないなど、生きている上でかかえる悩みは尽きません。
こういった様々な問題に対して、解決方法を相談するとスピリチュアル的な視点から「先祖供養が足りていないからだよ」とアドバイスされることがあります。
例えば、その他の悩みや問題であっても
- 先祖供養が足りていないから病気が治らない
- 先祖供養が足りていないから家族間がうまくいかない
- 先祖供養が足りていないから子供に恵まれない
などなど、原因を「先祖供養」に当てはめるケースは比較的よく耳にするお話です。
言われたように先祖供養を正しく行えば、個人的な悩みや問題は解決したり、願い事などは叶うのでしょうか?
本記事では、先祖供養と願い事の関連性について紹介していきたいと思います。
※当記事での解釈は個人の主観や宗教観などによって捉え方が変わることをご了承ください
先祖供養と願い事の関係性について
先祖供養とは本来「今現在の自分が存在していることへの感謝」と「ご先祖様の安らかな冥福を祈る」という2つの意味を持つ習慣です。
まず、どのような形であっても自分という人間はご先祖様の存在がなければ誕生していません。
沢山のご先祖様が命を繋いでくれたことに対する感謝を表す習慣として、「先祖供養」という文化は昔から続いているのです。
同じように、昔から習慣とされている先祖供養には「亡くなった方のご冥福を祈る」という意味合いが込められています。
この亡くなった方の定義には、ご自身の父母や祖父母はもちろん、それ以外のご先祖様も含まれています。
仏教の考え方では供養をすることによって徳を積むというものがあり、徳を積むことによって仏様のご加護が得られたり、ご先祖様からの助けを得られるといった効果もあると言われています。
こういったことを踏まえると、先祖供養と願い事に関連性が全くないとは言い切れないのかもしれませんが、以下で紹介する視点から考えた場合には、少し考え方が変わるかもしれません。
1人の人間としての輪廻という価値観
先祖供養には供養をした人にも徳が積まれることから、完全に願い事との関係性がないとは言い切れません。
しかし、徳を積むという行為には、自分自身が亡くなった後の輪廻という考え方において、なるべく良い世界に生まれ変われるかどうかの基準として捉えられることがあります。
いわゆる命が生まれ変わり、様々な世界にさまようことを仏教の死生観では「輪廻転生(りんねてんしょう、もしくはてんせい)」と呼ばれています。
六道輪廻と輪廻転生とは?
仏教では輪廻転生(りんねてんしょう)という魂のサイクルと、六道輪廻(ろくどうりんね)と呼ばれる魂が6つの世界、もしくは「極楽浄土」に振り分けられるという考え方があります。
この人間が生まれ変わる六道とは、基本的に全てが「苦しみの世界」です。
さらにこの六道の中でも特に苦しみの多い「三悪道」と、苦しみの少ない「三善道」という3つずつの世界があり、生前の行いや功徳によっていずれかの世界に振り分けられるとされています。
※少し補足すると、人間として生まれ変われるのは六道でも「人間道」と呼ばれる上から2つめに位置する世界のみです。
普段、あまり宗教について触れる機会の少ない方には少し理解しにくいのですが、仏教における最終目標とは六道輪廻と呼ばれる「苦しみの世界」を離れた「極楽浄土」に向かうことにあります。
先祖供養との関係性
さて、こういったことを前提とした上で、先祖供養とはどういった行為なのかをもう一度考えてみましょう。
先祖供養とは冒頭でも紹介した通り「感謝」と「祈り」から成り立つものです。
感謝と祈りを自分に向けているのか?と言われれば、そうではなく「自分という存在以外に対する行為」なのです。
こういった前提が成り立ってこそ、徳が積まれるという結果に繋がるのであり、それにより六道輪廻における生まれ変わり先などにも関わってくるというわけです。
また、亡くなった両親や祖父母などに対して供養をすることは、六道で少しでも苦しみの少ない世界へ生まれ変われることを祈るという意味合いも持ち合わせています。
つまり先祖供養という行為において、願い事の先にあるのは「亡くなった方やご先祖様が苦しみから開放される」ことであり、自分自身の願い事と直接的な繋がりがないという捉え方も出来るのではないでしょうか?
先祖供養をすると金運や恋愛運は上がるのか?
では、実際に先祖供養をすることによって金運が上がったり、恋愛運が上がることはあるのでしょうか?
前項では直接的な関係はないという説を紹介しましたが、心からの先祖供養をすることで、自分自身を変化させる効果があることは多々あると言われています。
これは、仏教という考え方にとらわれるものではなく、感謝や祈りという行動によって自分自身の価値観が変化していくことを実感する方が多いからだと考えられます。
また、仏教という範囲においても「亡くなった人は最も縁の深い人を助けられる」という考え方もありますので、それらの相乗効果によって、抱えていた問題が好転する可能性は充分にあるでしょう。
先祖供養による価値観の変化
今まで先祖供養という習慣がなかったという方が、少しずつ先祖供養を始めてから、数年後には価値観が大きく変わったという例は数え切れないほどあります。
感謝や祈りが習慣化されることによって、自分自身を見つめ直す機会が増えたり、小さな出来事にも恩恵を感じられることは心の安定にもつながるのです。
現代は「ストレス社会である」とよく言われることがありますが、ストレスの原因には少なからず「心の状態」が関わっているものです。
極端にネガティブ思考であったり、過度なイライラや不安感などが続くと、心が耐えきれずに精神疾患になることも少なくありません。
先祖供養によって少しでも心の安定を持つことで、こういったリスクは多少なりとも下がると考えらるのではないでしょうか?
これは専門的な医学のお話ではなく、ごく単純な理屈です。
しかし、価値観が変わったという実感を得ている人が多いことを知ると、やはり無関係には思えないのです。
人間性の向上によって結果に繋がる
心の安定は人間性の向上にも繋がると考えられます。
人それぞれに違いはあるものですが、人間的に成長することが人生においてマイナス効果を生んでしまうという事はあまり考えられません。
むしろ、その逆であり自分自身が向上することは、周囲の環境に対しても良い影響を及ぼすでしょう。
最初は小さな自分だけの変化かもしれませんが、その変化が徐々に周囲に広がっていけば自然と良い結果にも結びつきやすいでしょう。
先祖供養と金運上昇
自分自身から周囲へと良い影響が伝われば、仕事の面においても良い結果が生まれたり、好影響を与えるということは充分に考えられるでしょう。
必ずしもこういった変化に先祖供養が関わっているという断定は出来ませんが、絶対に関係がないとも言い切れないのです。
先祖供養と恋愛運上昇
心が安定することで、人間的な丸みが得られた結果、人当たりが良くなったり、表情などにも変化が現れることもあるでしょう。
人によってはこういった変化によって、恋愛運という面でも効果を感じるということもあるかもしれません。
先祖供養をすると病気は治るの?
金運や恋愛運に関しては、考え方としても結びつきやすいですが、病気が治るという効果については、やはり懐疑的にならざるを得ないでしょう。
俗説としては、ご先祖様を供養して重病から回復したというお話なども存在していないわけではありませんが、やはり論理的には難しいと考えられます。
スピリチュアルな観点から見れば、亡くなった方が守護霊になったり、ご縁の深い方が供養をした人を助けてくれるという仏教的な受け取りかたも出来なくはありません。
確実な答えを出すことは難しいですが、全ては受け取り方次第であると言ったところでしょうか。
先祖供養で願い事が叶うのは「心の変化」の影響?
ここまで先祖供養をすることによって、願い事が叶うのかどうかを考えてみましたが、あなたはどのように感じたでしょうか?
心を込めて行う先祖供養は、宗教的な意味での徳を積むという考え方や「輪廻転生」という命のサイクルに加えて、現実的な変化としては「心に影響を与える」ということが挙げられます。
全く仏教とは関係のない、キリスト教の高名なシスターであるマザー・テレサは以下のような名言を残しています。
思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから。
上記の言葉の中では先祖供養について触れているわけではありません。
しかし、少し大きな範囲で考えてみると、心の変化が様々な影響を与えるということは納得出来るような気持ちになりますね。
先祖供養という習慣によってあなたの願い事が叶うかどうか。
全ては自分自身の考え方や行動次第ではないでしょうか?
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。