お盆にはお墓参りに行くという方が多いのではないでしょうか。
ただ帰省のタイミングが合わない、都合がつかず行けないとなると、
「早めにずらしてもいいのかな?」
「お盆時期に行かないと悪いことが起こるとか・・」
「本当はいつ行くのが一番いい?」
「行けない場合はどうするべき?」
と気になることがあるかもしれませんね。
そんな心配事を解決するため、お盆にお墓参りに行く時期や、お墓参りに行けない場合の対処法をまとめました。
ぜひ参考にしてくださいね!
お盆のお墓参りは早めに行ってもいい?
お盆の期間中にお墓参りに行くことが一般的になっていますが、時期を早めてお参りしても問題ありません。
遠方であれば、帰省するタイミングでお墓参りに行かれる方も多いですよね。
中には、宗派やご家庭のしきたりとして、お墓参りはお盆にするべきだという考え方もあるかもしれませんが、お盆前にお墓参りをするからといってご先祖様に失礼にあたることはないそうです。
お墓参りで重要なことは、ご先祖様に感謝と供養の気持ちを込めて手を合わせることです。
とは言え、お盆のお墓参りはご先祖様を敬い供養する大切な行事ですので、基本的な知識として、はじめにお盆にお墓参りをする意味と風習についてみていきましょう。
お盆のお墓参りの意味と風習
お盆とはご先祖様の魂があの世(浄土)からこの世に帰ってくる期間のこと。
期間は地域によって異なりますが、お迎えして手厚く供養します。
ご先祖様や故人の送り迎え
宗派や地域の風習によっては考え方が異なりますが、お墓参りには、ご先祖様の魂をお迎え・お見送りするという意味合いがあります。
お盆の時期にご先祖様の魂は生前過ごされた家に帰ってくるとされていますが、実は浄土から直接自宅に帰ってくるのではなく、一度お墓に戻ってくるとか。
そのため、お墓参りをしてお墓に宿った魂をお迎えに行くということですね。
本来はご先祖様を送り出すときに、もう一度墓参りに行くのが習慣でしたが、現在はその習慣は消えつつあります。
また、お盆の初日にご先祖様の魂を迎えるために焚く「迎え火」、見送るために焚く「送り火」は、現在は玄関先などで焚かれますが、昔はお墓の前で焚くという風習がありました。
地域によっては、今でも墓前で迎え火を焚いた後、提灯に火を灯してご先祖様をご案内し、最終日にはお仏壇の火を移した提灯でお墓に案内し、その火を消してお見送りするという風習が残っています。
ご先祖様や故人に感謝する
ご先祖様の居場所やお盆にお墓参りに行く理由について、宗派や地域によって考え方が違うことがあります。
ただ大事なことは、風習よりもご先祖様を敬い、ご先祖様が命をつないでくださったおかげで今の自分がいるという感謝の心でお墓参りをすること。
また、墓前に足を運び手を合わせることは、ご先祖様や故人を供養するための大切な方法のひとつです。
お墓の掃除やお手入れ
お墓は浄土とこの世をつなぐ玄関口の役割があるといわれています。
そのため、キレイに掃除し磨くことでご先祖様の魂を気持ちよくお迎えし、また送り出すことができると考えられているのです。
また、お墓は天然の石材でできているため、基本的に年数がたてば劣化していきますし、ほこりや落ち葉などが溜まったりして徐々に汚れていくものですよね。
ですからお墓をキレイに長持ちさせるためには、掃除をしたり、こまめにお手入れをすることが必要になってきます。
なかなか普段はお墓参りに行けない方も、お盆のお墓参りを掃除やお手入れをするきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
お盆のお墓参りのタイミング
それでは、お盆のお墓参りは、いつ行くのが良いのでしょうか。
ここでは一般的な例として、8月のお盆のお墓参りの日程をご紹介します。
12日までにお墓の掃除をする
ご先祖様を迎えるために、前もってお墓の掃除をしておきましょう。
12日までに済ませておくのが理想です。
ご先祖様に気持ちよく帰ってきていただくためにも、心を込めて掃除したいものですね。
また、故人が亡くなって初めて迎えるお盆の場合は、家族以外の方がお参りをすることもあるので、できれば月初めに掃除を兼ねお墓参りをしておくのがおすすめです。
13日はご先祖様をお出迎えする(盆入り)
お墓参りはご先祖様が帰ってくるとされる盆入りに行くのが一般的になっています。
宗派や地域などによって違いがありますが、お迎えは早くという考え方から、午前中にお墓参りへ行く方が多いようです。
昔は13日の夕方にお墓で迎え火を焚き、提灯に火を灯して一緒に家に帰るという風習があったため、ご先祖様をお迎えに行くという形で、13日にお墓参りする習慣が残っています。
14日・15日に留守参りをする地域がある
お盆の間は、ご先祖様の魂は自宅に帰っているという考え方から、ご先祖様が不在のお墓にお参りすることを「留守参り」といいます。
これは、留守となるお墓を守ってくださる仏様に感謝を表してお参りしたことなどが由来となっているとか。
関東地方のように、「留守参り」の風習が残っている地域では、13日は盆の入り、16日は盆明けのため、ご先祖様が家にいる14日・15日にお墓参りをすることもあります。
16日はご先祖様をお見送りする(盆明け)
16日はご先祖様の魂が浄土に戻られる日。
無事に戻れますようにとお墓参りをする地域もあります。
また、お見送りは遅くという考え方から、夕方にお墓参りへ行く方もいらっしゃるようです。
お盆にお墓参りへ行けない場合の対処法とは?
昔から伝わるお盆のお墓参りに行くタイミングをお伝えしましたが、さまざまな事情から、どうしても行けないことってありますよね。
ここでは、そのような場合の対処法をご紹介します。
ご自宅で供養する
お仏壇がある方はお供え物をして供養し、ない方は故人の写真など、故人を感じるものに向かって手を合わせましょう。
結論として、手を合わせて感謝の気持ちを伝えるだけでも大丈夫です。
お盆はご先祖様が家に帰ってくるとされていることから、お墓参りはせずに、家での供養を中心に過ごすという考え方もあります。
お仏壇をキレイに掃除したり、精霊棚を飾ったり、迎え火・送り火を焚いたりするなど、できることで心をこめて供養されてはいかがでしょうか。
お盆にお墓参りに行かない=ご先祖様を敬っていないということにはなりませんから、ご先祖様や故人を偲ぶ気持ちを大切にしましょう。
お供え物を贈って供養の気持ちを届ける
お盆にお墓参りができないときは、供養の気持ちを伝えるため、家族にお供え物を贈ることもおすすめです。
また、実家や義実家へ帰省できない場合には、待っているご家族の負担を考えてできるだけ早めに連絡を入れましょう。
では、お盆のお供えにオススメのものをご紹介しますね。
食品のお供え物には、暑くても日持ちするもの、賞味期限が長いものを選びましょう。
また、お盆の時期には親族が集まることも多く、お仏壇に供えた後に分けることもありますので、個別に包装されたお菓子や乾物類などが重宝されます。
代表的なものとして、おかき・せんべいなどの和菓子や焼き菓子・クッキーなどの洋菓子、そうめん、ゼリー、焼き海苔、ジュース、スティックコーヒーなどが挙げられます。
食べ物以外では、必需品である線香やろうそくなどのお供えセットもあります。
お供え物の相場は、ご親族であれば3千円〜1万円が目安です。
包装やのし紙は購入した店舗で対応してくれますが、のし紙の水引の色使いは、地域によって異なるので、あらかじめ確認しておくと安心ですね。
できればお供え物を送るだけでなく、故人や家族を想う気持ちを伝えるメッセージを添えると良いでしょう。
お墓参りの代行サービスに依頼する
ご自身がお墓参りに行けず、近くに頼めるようなご親戚がいない場合はお墓参りを代行してもらえるサービスを利用するという方法もあります。
お墓の掃除やお供えをして代わりにお参りしてくれるサービスですが、今は需要が増えているようです。
費用の相場は、代行業者や作業内容によっても変わってきますが、お墓参りと一緒に掃除を依頼するのなら2万円〜3万円、お墓参りだけなら1万円〜2万円程度。
ただし、お供え物によってはオプション料金となったり、機械や洗剤などを使う墓石のクリーニング・コーティングをした場合は追加費用が発生します。
お墓の状態がわからない場合は、お参りせずに写真撮影だけしてくれるサービスもありますので、まず料金の見積もりを取ることをおすすめします。
まとめ
ここまで、お盆の墓参りのタイミングや、行けない場合の対処法を中心にお伝えしました。
お盆のお墓参りは、期間中に行けない場合は、早めにお墓参りをされるか、別な方法で供養しても問題ないということでしたね。
最後に、知っておきたいポイントをおさらいしてみましょう。
【お盆のお墓参りの意味と風習】
- ご先祖様の魂をお迎え・お見送りするという意味合いがある
- ご先祖様や故人に感謝の気持ちを伝える
- 浄土とこの世をつなぐ玄関口の役割があるお墓の掃除やお手入れをする
【お盆のお墓参りのタイミング】
- 12日までにお墓の掃除をする
- 13日はご先祖様をお出迎えするためのお墓参りをする
- 14日・15日は地域によって留守参りをする
- 16日はご先祖様をお見送りするためのお墓参りをする
【お盆にお墓参りへ行けない場合の対処法】
- ご自宅で供養する
- お供え物を贈って供養の気持ちを届ける
- お墓参りの代行サービスに依頼する
昔の風習やしきたりも大切ですが、心からご先祖様や故人を偲ぶ気持ちを第一にお盆を過ごしましょう。
ご先祖様は、お盆にこだわらなくても時間を作ってお墓参りしたり、思い出して偲ぶことで喜んでくださるのではないでしょうか。