季節に合わせて、インテリアを変えたくなることはありませんか?
一番簡単にお部屋のイメージを一新できる方法が「花を飾ること」です。
もし、毎日仏様に仏花をお供えしているのであれば、仏花を洋風の花に変えてみるのもおすすめです。
仏様に花を供える習慣のなかった方は、この機会にぜひやってみてくださいね。
ここでは、仏花に適した花のポイントや、仏花としてもおすすめできる洋風の花々をわかりやすくご紹介します。
どんな花が仏花に向いているの?
はじめに仏花にふさわしい花のポイントを3つご紹介します。
ポイント1. 長持ちする花
仏様のために、いつもきれいにしておきたい仏花には、長持ちしてくれる花がおすすめです。
例えば、ダリアやスイートピー、ミモザなどは素敵ですが、切り花にすると早めにしおれてしまいます。
仏花として定番の菊は、とても長持ちして、寒い季節なら3週間ぐらい持つこともあるほどです。
季節によっても、切り花の寿命は変わってきます。
夏は暑さでどうしても花が傷みやすいので、長持ちする種類を選ぶことが大切です。
ポイント2. 毒のない花
仏様にお供えする花には、毒があってはいけないとされています。
特に花全体に毒のあるスイセンやヒガンバナは避けましょう。
チューリップの球根にも弱い毒があるそうですが、亡くなった方が好きだった場合には、あえてお供えすることもあります。
ポイント3. トゲのない花
トゲのある花を供えても問題はありませんが、お供えしたり管理する際にケガをしないように配慮することが必要です。
いざという時のために知っておきたい仏花のルールとしては、
・左右に一つずつの一対の形で生ける
・四十九日を迎えるまでは、白い花が基本
・香りの強い花は避ける
・造花ではなく生花を供える
といったことが挙げられます。
この中で「香りの強い花」は、仏様が花の香りを嗅がれるという見方をすれば、むしろ仏様が喜ばれる花ともいえます。
他のルールも、亡くなった方を想う気持ちがあれば、普段の生活の中では省略してもよいレベルのものと言えそうです。
そもそもルールは、仏様のためであったり、仏様や仏教の教えを身近に感じるために定められたもの。
ルールを知ったうえで、亡くなった方を想う気持ちをより大切に、自由に仏花を選んでみましょう。
仏花にも洋風の花を!
仏壇は昔ながらの日本のものというイメージがあり、そこにお供えする仏花も和風のものを選びがちです。
ただ、仏花として売られている花束をよく見ると、決して菊ばかりではなく洋風のカーネーションやスターチスも入っています。
それなら、自分の好みで選んだ洋風の花を仏花のメインにしてみても良いはずです!
仏教は起源をたどると日本のものではなく、インド発祥で世界中に広まっているもの。
実際、お寺では季節に合わせて、和洋を問わず、新鮮な花を生けているそうです。
なぜか避けられてしまったり、脇役になってしまう洋風の花々を思い切って仏花の主役にしてみましょう。
上で挙げた3つのポイントをクリアした仏花におすすめの洋風の花を5種類、厳選してご紹介していきます。
カーネーション
母の日に限らず、切り花として一年中流通しているカーネーション。
切り花の中でも抜群に花持ちが良いという長所があります。
また、カラーバリエーションも豊富で、赤、ピンク、黄色といった定番の色の他にも2色咲きなども出ています。
中でも注目したいカラーはグリーン。白に近い爽やかなグリーンで、仏様にお供えするのにもぴったりの清潔感があります。
トルコキキョウ
トルコキキョウは、贈り物にするような大ぶりの仏花のアレンジメントにもよく使われる花。
花びらが幾重にも重なり、薔薇のような高級感があってトゲはないので、仏花としても安心してお供えできます。
カラーは、白、紫が定番で、ピンク色や白と紫のバイカラー、グリーンなど、めずらしい色も出始めています。
スプレーマム
スプレーマムは、スプレーのように枝分かれをして咲くマム(洋風の菊)です。
日本の菊が、江戸時代に海外へとわたり、品種改良されてお洒落な雰囲気になって逆輸入された品種です。
和風の菊と似ていますが、小さな花をたくさん咲かせるところや花の中心が見える咲き方には、カジュアルな愛らしさがあります。
花の色も、白、ピンク、紫、黄色、バイカラーなど豊富にそろっています。
スプレーマムは丈夫で育てやすく、次々と花を咲かせてくれます。
鉢植えを一つ買ってきて、花が咲いたらカットして仏花にするのもおすすめです。
ピンポンマム
ピンポンマムもスプレーマムと同じで、日本の菊が海外で品種改良され、逆輸入された花です。
ポンポンマムと呼ばれることもあります。その名の通り、ピンポン玉のように丸く咲く花はオブジェのよう。
ブーケやフラワーアレンジメントにもよく用いられます。
咲き方はちがいますが、菊の仲間であることから、同じように花持ちがよく、清潔感のある香りで、仏花としてもぴったりです。
デンファレ
デンファレは蘭の一種で、よくスーパーマーケットでも売られている花。
こまめに水替えをすれば驚くほど長持ちしてくれるので、仏花としてもおすすめです。
定番で入手しやすいのは紫色ですが、白や黄色のデンファレもあります。
多少水替えがおろそかになっても傷みにくいので、毎日忙しい方にもおすすめのお花です。
ユリ
ユリは日本でも原産している花ではありますが、品種改良された大輪の洋風のユリには華やかな雰囲気があります。
ときには豪華に大きめのユリの花をお供えするのもおすすめです。
仏花のルールのところでお伝えした通り、香りのある花はいけないとされることもあるのですが、あえて香りのあるカサブランカのような品種もおすすめです。
仏様が香りを楽しまれるという考え方もありますので、ユリが好きだった方にはお供えしてみてはいかがでしょうか?
ただし、香りが強めの品種をお供えするときには、香りが混ざってしまうお線香を焚かないようにしましょう。
仏花を長持ちさせる方法
せっかく想いを込めて仏花を選んだら、長くきれいに咲いてほしいものですよね。
仏花を長持ちさせるコツは、何よりも「毎日水を取り替えること」です。
切り花は、切り口からバクテリアが繁殖すると水が汚れて傷みやすくなります。
きれいに見える水も汚れていますので、毎日替えましょう。
また、花瓶の内側もしっかりとスポンジで洗うのがおすすめ。
毎日の水換えと花瓶の洗浄で、花は一段と長持ちするようになりますので、ぜひやってみてくださいね。
2つ目におすすめの方法は、「切り戻し」です。
切り花は日が経つと、切り口がふやけて、茎から水を吸い上げる力が弱くなってしまいます。
切り戻しの方法は、水を張ったボウルの中で、よく切れるハサミを使い、茎の一番下を2〜3cmほど短く斜めに切るだけです。
水の中で切る理由は、茎に空気が入り、水を吸い上げる力が弱まるのを防ぐためです。
最後に、切花を買ったときに、長持ちさせる「延命剤」がついていたら、たしかな効果がありますので使ってみましょう。
延命剤の中にはブドウ糖など、花を咲かせるのに必要な栄養素が入っていて、水だけの場合よりも花の持ちが良くなります。
おわりに〜仏花をもっと楽しもう〜
ここまで、仏花に適した花のポイントや、仏花としてもおすすめの洋風の花々をご紹介してきました。
まとめとして大切なポイントを振り返ってみましょう。
<仏花に向いている花とルール>
- 長持ちする花
- 左右に一つずつの一対の形で生ける
- 四十九日を迎えるまでは、白い花が基本
- 香りの強い花は避ける
- 造花ではなく生花を供える
<仏花におすすめの洋花>
- カーネーション
- トルコキキョウ
- スプレーマム
- ピンポンマム
- デンファレ
- ユリ
店頭やオンラインショップには今回ご紹介した洋風の花だけでなく、季節ごとにさまざまな花が売られています。
春には桃や桜の “枝” を生けたり、切り花の元気がなくなってきたら、花を水に浮かべてお供えするのも素敵です。
例えば、あまり長持ちしない性質のダリアは、花だけを水に浮かべると長く楽しむことができます。
切り花を買って生ければすぐにできる「お花がある暮らし」、仏花をきっかけにぜひ始めてみてはいかがでしょうか?
また、花瓶がなくても簡単に飾ることができる、ふらなむの「ハートフルフラワー」を利用するのもおすすめです。