日本には「お彼岸」と「お盆」という行事がありますが、何が違うのかご存知ですか?
どちらもご先祖様を供養しますが、具体的にどんなことが異なるか分からない方も多いのではないでしょうか。
実は、お墓参りに行く理由も違うんですよ。
この記事では、お彼岸とお盆の由来や期間、目的、お供えする花など、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
お彼岸とお盆の意味や由来は?
まずは、お彼岸とお盆の意味や由来の違いについて詳しくみていきましょう。
お盆の意味と由来
お盆というのは、ご先祖様の魂を迎え供養する行事のことです。
私たちが定期的に里帰りをするように、ご先祖様もお盆の期間を使ってこの世に帰ってくるといわれています。
つまり、お盆というのは、先祖代々の祖先が集まる「一家だんらんの日」といえそうですね。
この行事は古くから行われていて、
・祖先崇拝
・農耕儀礼
など、昔ながらの儀式に「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教の思想が混ざり合って現代の形になったとされています。
お彼岸の意味と由来
お彼岸もご先祖様への日頃の感謝の気持ちを込めて供養を行う行事ですが、お盆とは違い、ご先祖様が帰ってくるというわけではありません。
あの世(彼岸)とこの世(此岸・しがん)の距離が最も近くなる日といわれ、故人との思いが通じやすくなる日として考えられています。
また、ご先祖様を供養するだけでなく、自分自身も悟りの境地である「彼岸」に辿り着くための修行を行う日という仏教的な意味合いも加わって日本独自のお彼岸という行事が生まれたそうです。
お彼岸とお盆の期間の違い
では次に、お盆とお彼岸の期間について詳しくみていきましょう。
お盆の期間はいつ?
お盆の期間は一般的に8月13日〜16日の4日間です。
東京都(一部地域を除く)や南関東などの地域では7月13日〜16日、沖縄県などのように旧暦7月13日〜15日の3日間(現在の暦では8月中旬〜9月上旬)とする地域もあります。
お彼岸の期間はいつ?
お彼岸は、お盆とは違って年に2回あります。
具体的には、
・春分の日とその前後3日→合計7日間
・秋分の日とその前後3日→合計7日間
春分の日と秋分の日、つまりお彼岸のメイン日時のことを「中日」と呼び、お彼岸の初日のことを「彼岸入り」、お彼岸最終日のことを「彼岸明け」と呼びます。
お彼岸とお盆の儀式の違い
では次に、お彼岸とお盆の儀式について詳しくみていきましょう。
お彼岸とお盆の共通してやること
共通しているのは、お墓掃除とお墓参りです。
できればお彼岸やお盆時期の前にお墓の掃除をしておくと丁寧ですが、当日お参りの前に掃除しても問題ありません。
また、自宅でおまつりしているお仏壇なども掃除し、期間中はお供え物をしてご先祖様を供養しましょう。
お供え物の基本は「香・花・灯明・浄水・飲食(おんじき)」の「五供(ごく)」と呼ばれる5つ。
普段より盛大にそれぞれ特有のお供えをしますが、代表的なお供え物は、季節のお花、お菓子、果物、故人の好きだった食べ物や飲み物です。
お盆
お盆時期のお墓参りには、ご自宅に帰って来られるご先祖様のお迎え、お見送りとしての意味合いもあります。
そのため、13日(お盆入り)のお墓参りが望ましいといわれています。
ただし難しければ14日〜15日や、ご先祖様のお見送りを兼ねて16日(送り盆)に行かれても問題ないので安心してくださいね。
また、お盆の初日お迎えの際には家の玄関先や庭、地域によってはお墓で「迎え火」を、最後の日お見送りの際には「送り火」をするのが通例です。
さらに、「盆棚(ぼんだな)」と呼ばれる祭壇を置いてお盆飾りをしたり、周辺にお盆提灯を飾ったりしてご先祖様のおもてなしをします。
お彼岸
お彼岸は、ご先祖様との距離が最も近くなる時期です。
そのため、ご先祖様への想いが通じやすくなると考えられ、ご先祖様が眠るお墓に出向いて供養するようになったとか。
中日の前後でお参りをするのが良いと言われていますが、現代はあまり日時にこだわらず、お彼岸の期間中にお墓参りをするのが一般的です。
お仏壇には、春の彼岸には「ぼた餅」、秋の彼岸には「おはぎ」を供える風習があります。
また、寺院が檀家を招いて行なわれる合同法要「彼岸会(ひがんえ)」に参加する場合もあるでしょう。
お彼岸とお盆ではお供えする花が違うって本当?
次に、お彼岸とお盆にお供えする花の違いについてご紹介します。
お盆にお供えする花
お盆には、
- リンドウ
- キンセンカ
- カーネーション
- ケイトウ
- 菊
など、白系のお花を供えることが多いです。
ただ、地域や宗派によっては、
・紫系
・黄系
の花を供えることもあります。
お彼岸にお供えする花
お彼岸でも、
- 菊
- カーネーション
- キンセンカ
- リンドウ
- ケイトウ
などを供えますので、お盆と大きな違いはありません。
ただ、春と秋に行われる行事ですので、季節の花を選んだり、故人が好きだった花を供えたりするのも良いでしょう。
明確なルールがありませんので、ご先祖様を大切にする気持ち、あるいは感謝の気持ちを表せるようなお花を飾ってみると良いですね。
まとめ
ここまで、お盆とお彼岸にはいくつかの違いがあることを解説させていただきました。
最後にまとめとして、一緒にお盆とお彼岸の違いをそれぞれ3つのポイントから振り返りましょう。
【お盆】
<意味>
お盆の期間にこの世に帰ってくるとされるご先祖様の魂を供養する
<期間>
一般的に8月13日〜16日の4日間
東京都(一部地域を除く)や南関東などの地域では7月13日〜16日
沖縄県などは旧暦7月13日〜15日の3日間(現在の暦では8月中旬〜9月上旬)
<儀式>
- お墓参りには、ご自宅に帰って来られるご先祖様のお迎え、お見送りとしての意味合いもある
- 初日には「迎え火」、最後の日には「送り火」をする
- 「盆棚(ぼんだな)」置いてお盆飾りをしたり、盆提灯を飾りご先祖様のおもてなしをする
【お彼岸】
<意味>
あの世とこの世の距離が最も近くなる日と言われ、故人との思いが通じやすくなる日
ご先祖様を供養するだけでなく、自分自身も悟りの境地である「彼岸」に辿り着くための修行を行う日
<期間>
・春分の日とその前後3日の合計7日間
・秋分の日とその前後3日の合計7日間
<儀式>
- この世にいる私たちがご先祖様が眠るお墓に出向いて供養をする
- 春の彼岸には「ぼた餅」、秋の彼岸には「おはぎ」を供える
- 寺院が檀家を招いて行なわれる合同法要「彼岸会(ひがんえ)」に参加する
お彼岸もお盆も異なる点はあっても、ご先祖様や故人を偲び供養する期間であることに変わりはないということですね。
また、それぞれの意味を知ることで、お彼岸やお盆の過ごし方も違ってくるのではないでしょうか。
今まであまり意識していなかった方も、ぜひお彼岸やお盆には、ご先祖様へ日ごろの感謝をお伝えしてみましょう。
お供えのお花には、仏花としてそのまま飾ることができるふらなむ の「ハートフルフラワー」がオススメです。