お彼岸はいつ?することって?定番のお供え物や贈るときのマナーをご紹介

お彼岸1

春と秋の年に2回「お彼岸」がありますが、何をすれば良いかご存知ですか?

「そもそもお彼岸ってどんな日なの?」

と言葉は知っていても、意味は分からないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこでこの記事では、

・お彼岸の意味
・具体的に何をすれば良いのか
・知っておきたいお供え物を贈るときのマナー

などについて紹介していきます。

改めて日本の風習を知る良い機会になるかもしれません、ぜひ最後までご覧くださいね。

目次

お彼岸はいつ?

お彼岸の時期は「春分の日」と「秋分の日」によって決まりますが、それぞれ前後3日間の計7日間になります。

ところで春分の日と秋分の日は、いつ決まるかご存知ですか?

実は、国立天文台が作る「暦象年表」に基づいて、前年の2月1日に政府によって公表されます。

そのため春分の日と秋分の日がいつになるのかは、それまでわからないということですね。

ちなみに、2022年秋のお彼岸は、秋分の日が9月23日(金)ですから、前後3日間の9月20日(火)〜9月26日(月)となります。

お彼岸の期間は、初日を「彼岸の入り」、真ん中にあたる春分の日と秋分の日を「中日」、最終日を「彼岸の明け」と呼び、「中日」は、特に重要と考えられています。

お彼岸とは?

お彼岸は、仏教の極楽浄土の考え方に由来していますが、一般的にはご先祖様に感謝し、故人を偲ぶために行う行事としての意味合いとなっています。

仏教では私達が生きているこの世のことを「此岸(しがん)」と呼び、さまざまな苦しみがあると考えられています。

一方、此岸の向こう岸である「彼岸」は、苦しみから抜け出し悟りの境地に達した世界のことを指します。

もともとお彼岸は、苦しみのない仏様の世界へ行くために修行を積む期間を意味していたようですが、それが日本古来のご先祖様を崇拝する風習などと結びついて、現在のお彼岸に変化していったようです。

仏教では「彼岸」は西方にあり、「此岸」は東に位置すると考えられていることから、太陽が真東から昇り真西に沈む春分の日と秋分の日前後は、最もご先祖様のいらっしゃる世界に通じやすいとされています。

そのためお彼岸の時期に先祖供養を行えば、自分自身も極楽浄土へ到達することができるのではないかと考えられ、お墓参りなどの供養をするようになりました。

日本人は、春と秋のお彼岸の7日間を、ご先祖様に感謝し供養することを習わしとしてきたということですね。

お彼岸にすることは?

では、どのようなことをしてご先祖様を供養すると良いのでしょうか。

春のお彼岸も秋のお彼岸もすることは基本的に同じです、一般的にお彼岸に行われていることをみていきましょう。

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お仏壇や仏具をキレイにする

ご先祖様のためにいつもより丁寧にお仏壇と仏具を掃除しましょう。

親戚などが訪れお仏壇にお参りをする機会が多くなりますから、なるべくきれいな状態にしておきたいものですね。

まず掃除を始める前にご本尊とご先祖様に手を合わせて、お掃除をしますと挨拶をします。

お仏壇の仏具を下ろすときは、元に戻す時のために写真を取っておくのがおすすめです。

ほこりは上から下に落ちるので、掃除は上から下へと行います。

お仏壇や仏具は優しく掃除することが大切ですから、仏具用のほこりを払う毛ばたきや筆、柔らかいタオルなどの布、綿棒のように細かい部分も掃除できるようなものを使いましょう。

お仏壇の材質によってお手入れ方法は異なりますが、いずれも大事なポイントは、濡れ雑巾を使わないこと。

お仏壇は湿気に弱いため、水拭きや洗剤の使用はカビが発生する原因になるからです。

そのため、できるだけお天気の良い日を選ぶことをおすすめします。

掃除が終わったら仏具を戻し、お仏壇に手を合わせ終了の報告をしましょう。

なお、金箔や漆がほどこされた金仏壇の場合は、掃除方法を間違ってしまうと金箔が剥がれ落ちてしまうこともあるため、業者に依頼するのが望ましいです。

お墓参りに行く

お彼岸といえば、一番に思い浮かぶのはお墓参りかもしれませんね。

お墓参りの日にちはお彼岸の中日が良いという考え方もありますが、事情に合わせ別の日にお参りしても問題ありません。

7日間のうちにお墓参りにいけないときは、お仏壇などに線香を供えて手を合わせるだけでも良いでしょう。

供養に大切なのは形式ではなくご先祖様に感謝する気持ちです、ご先祖様を改めて感じられる時間を大切にしましょう。

お墓参りに行く際は、最初にお墓の掃除を行います。

基本的には、周りのゴミや雑草を取り除いたあと墓石の掃除を行い、水鉢や花立て、香立てなどもきれいにしたら、最後にタオルで水気を拭き取ります。

きれいになった状態で、お花や食べ物、線香を供えてひとりずつ手を合わせましょう。

お菓子や果物などのお供え物は直接置かず、半紙を敷いた上に置くのがマナーとされています。

また、お供え物はカラスなどに荒らされないように持ち帰るようにしましょう。

お供え物をする

仏教では、「五供(ごく)」という考え方があり、「香(線香)・花・灯明(ろうそく)・浄水・飲食(食べ物)」の5つのお供えが大切だとされています。

お彼岸時期も同じように五供をお供えしますが、ご先祖様への感謝を伝えるための期間ですから、いつもより盛大にお供えをするのが恒例です。

それでは、お彼岸によくお供えされる代表的なものをみていきましょう。

<ぼた餅・おはぎ>

春のお彼岸には「ぼたもち」、秋のお彼岸では「おはぎ」を供える風習があります。

実は、この二つは呼び方が違うだけで、同じ食べ物なんです。

それぞれ春には牡丹の花が咲くので「牡丹餅」、秋には萩の花が咲くことから「お萩」と季節の花の名で呼ばれるようになったとか。

どちらも、もち米とあんこを使用しますが、材料の小豆の赤は邪気を払う効果があるとされ、魔物を祓うために食べられるようになったといわれています。

<お花>

お仏壇や墓前に供える花には明確な決まりはないので、季節のお花や故人が好んでいたお花、故人をイメージさせるようなお花を供えるとよいでしょう。

ただし、亡くなってからまだ日が浅い場合は、白色メインのお花を供えるのがマナーです。

お彼岸に共通してよく用いられる花には、菊、ユリ、カーネーション、春の季節の花にはアイリス、マーガレット、ストック、秋の季節の花にはリンドウ、ケイトウなどがあります。

お彼岸の時期には、生花店でもお供え用に花束やバスケットなどアレンジメントが豊富に用意されています。

<精進料理>

お彼岸中は、お仏壇に精進料理を作ってご先祖様にお供えするという習わしがあります。

精進料理とは殺生を禁じられている仏教で、肉や魚などを使わずにネギやらっきょう、にら、にんにくなどの匂いが強い香味野菜を避けて作る菜食です。

「御霊供膳(おりょうぐぜん)」という専用の小さなお膳を使ってお供えするのが丁寧な形ですが、料理の種類やお供えの期間は、地域や家の考え方によってさまざまです。

盛りつける料理は白飯と一汁三菜が基本とされますが、故人の好きだった食材や、旬の食材などを使って、薄味に仕上げた料理を並べれば問題ないでしょう。

近年は手間がかからないフリーズドライの精進料理セットも人気です。

また、故人が好んでいたお菓子や飲み物をお供えするのも通例ですが、最近はお寿司やお酒などを形どったローソクタイプのものをお供えする方も増えています。

お彼岸1

彼岸法要(彼岸会)に参加する

お寺や霊園によっては、お彼岸の時期に彼岸法要(彼岸会/ひがんえ)が営まれます。

これはお寺の檀家や、墓地にお墓を持っている人が参加してご本尊やご先祖様を供養する合同法要です。

また、地域によっては僧侶を自宅にお招きして、個別に法要を営む場合もあります。

一般的な彼岸法要(彼岸会)に参加する際のお布施の相場は、3000〜1万円程度です。

また、自宅に僧侶をお招きする場合のお布施の相場は3〜5万円、お布施のほかにお車代として実費を渡すこともありますが、5000〜1万円を包むのが一般的です。

参加するときの服装は喪服ではなくても、黒や紺、グレーといった落ち着いた色合いの服装で問題ありません。

ただし、僧侶をお招きして初彼岸(故人の四十九日が過ぎてから最初の彼岸)の法要を営む場合には、ある程度フォーマルな服装を心がけましょう。

お彼岸にお供え物を贈るときのマナー

お彼岸時期には、お墓参りやお仏壇へのお参りにあわせ、お供えを持って他家へ訪問する場合があると思います。

また、郵送する場合もありますが、基本的には家族構成や生活スタイル、地域の風習などから選ぶようにするとよいでしょう。

おすすめは、おはぎのようなお彼岸ならではのものや、故人が好きだった食べ物や飲み物、常温で保存できるもの、日持ちするものなど。

線香、ろうそくなどもお供え物として向いています。

法要などで人が集まるときには、小分けにしやすいお菓子やすぐに出せる果物、お部屋を彩る生花などが喜ばれるのではないでしょうか。

お供え物の品物の相場は3,000〜5,000円程度ですが、品物ではなく現金をお供え物とする場合も同程度の金額で問題ないでしょう。

一般的には、お供え物はどちらかで良いのですが、地域によってはお供え物と現金を両方持参したほうが良いケースもあるので事前に確認することをおすすめします。

お供え物のかけ紙の水引は、黒白または双銀の「結び切り」のものが一般的ですが、地域によっては黄白のものを使用するところもあります。

表書きの上の段には「御供(おそなえ)」、下の段には、贈り主の名前を記入します。

現金をお供えする場合は、黒白か双銀の「結び切り」の不祝儀袋に入れてお渡しするのが一般的、表書きはお供え代わりとするなら御供物料とするのがよいでしょう。

お彼岸の期間中に訪問が難しい場合には時期をずらしても構いませんが、お彼岸よりも前のタイミングで訪問するのが良いとされています。

また、お供え物を郵送する場合、彼岸の入りまでには先方の手元に届くように手配するのが丁寧な形とされていますが、できれば相手の都合の良い日を伺うことをおすすめします。

まとめ

ここまで、お彼岸の意味や、お彼岸にすることなどについて紹介してきました。

最後に、お彼岸にすることとお供え物を贈るときのマナーを振り返ってみましょう。

【お彼岸にすること】

  • お仏壇や仏具をキレイにする
  • お墓参りに行く
  • お供え物をする
  • 彼岸法要(彼岸会)に参加する

【お供え物を贈るときのマナー】

<おすすめのもの>
お彼岸ならではのもの、故人が好きだった食べ物や飲み物、常温で保存できるもの、日持ちするもの

<相場>
3,000〜5,000円程度

<かけ紙>
水引は、黒白または双銀の「結び切り」が一般的(地域によっては黄白)

お彼岸は、最もご先祖様のいらっしゃる世界に通じやすいとされ、ご先祖様に感謝し供養することを習わしとしてきたということでしたね。

お彼岸の時期は「春分の日」と「秋分の日」の前後3日間の計7日間、できればご家族と一緒にご先祖様への感謝やご縁を改めて感じる時間として過ごしてみてはいかがでしょうか。

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