「雨の日のお墓参りは良くない、縁起が悪い」と聞いたことがありますか?
お盆にお墓参りに行く予定を立てることも多いですよね。
でも、予定日が雨だったら・・。
「日程は変えられないから、行かない方がいい?」
「雨の日に行くと何か悪い事でもおきるの?」
「どうするのが一番いいのかな?」
などと気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では雨の日のお墓参りについて、実際どうしたらいいのか、雨の日にお墓参りをする場合の注意点などお伝えしようと思います!
お墓参りを雨の日にしてもいいの?
まず、「雨の日のお墓参りは良くない」という言い伝えは守ったほうが良いのでしょうか。
結論からいうと現代では、雨の日のお墓参りは何の問題もありません。
雨だからといって、お盆にお墓参りにいく予定を変更しなくても大丈夫ということ。
仏教のどの宗派においても、雨の日のお墓参りは良くないと書かれていたり、公言していることはないそうです。
それでは、なぜ雨の日にお墓参りをすることは良くないとされてきたのでしょうか。
理由が諸説あるのでご紹介しますね。
土葬による伝染病が心配された
昔、日本では亡くなるとご遺体は土葬するのが一般的だったため、雨の日が続いている時にお墓参りに行くのは衛生的ではないとされていました。
なぜなら雨が降り続くと、ご遺体が腐食し病原体が発生した場合に、土の中から病原体が染み出してしまうことがあるからです。
お墓へ行ったときに、その病原体が靴などについて家まで持ち帰ることになるということですね。
そのため伝染病にかかる可能性を考えて、雨の日にお墓に行かない方がいいということに。
また、地面に雨が染みこんで土葬されたご遺体が濡れると、異臭がすることも関係していたようです。
現在は火葬に変わり、昔よりも雨の日のお墓参りに否定的な考えを持っている方は少なくなっています。
足元が悪くなるため
昔のお墓は、場内はほとんど整備されていなかったため、雨が降ると足場がぬかるんで滑りやすく、ケガをしてしまうことが珍しくなかったようですよ。
しかも今ほど、靴や洋服に防水性がなくて濡れたり土や泥で汚れてしまう事が普通でした。
そんな不便さから雨の日のお墓参りは避けられ、良くないとされていたということです。
陰陽説によると縁起の悪い日
雨の日のお墓参りは縁起が悪いという言い伝えは、中国から伝わった陰陽説(いんようせつ)と、日本古来からのハレ・ケガレの考え方(ハレとはプラスのこと)も関係しています。
少しややこしいのですが、陰陽説とは、全てのものを「陰」と「陽」に分け「陰」はマイナスな要素を、「陽」はプラスの要素を持つという考え方です。
対極にあるものとして陽は「ハレ」、「陰」を「ケガレ」としていました。
つまり、陽=晴れ、陰=雨(ケガレ)とし、マイナスな意味を表す雨の日は縁起が悪いからお墓参りに行かないと考えられたという説があります。
以上のように、昔の人は、経験上から安全にお墓参りができるように「雨の日のお墓参りは良くない」という考えを伝えてきたということですね。
ただ、以前は家の近くにお墓があり日常的なものだったお墓参りですが、現在は、計画を立てて行く家族の行事の様に状況も変わってきています。
お盆やお彼岸、命日、年末年始、法要などに合わせてお墓参りに行くことが多く、雨の日にお墓参りに行くこともあります。
また、今では墓地や霊園の整備が進んでいますから、気をつければ転んでケガをするようなことは防げますよね。
伝染病についても、現代では雨とは関係ないところで、コロナ禍ではお参りに行く人たちが密にならないように、またマスクを着用するようにと様変わりしています。
雨の日に行ったからと言って何か起きる訳ではありません、ぜひ安心してお墓参りに行かれてください。
ただし、雨の日にお墓参りに行かないほうが良いという考えが根強く残っている地域やご家庭もあると思いますので、その場合は、無理にお墓参りに行くことは避けた方がいいかもしれませんね。
お墓参り雨の日に注意したい3つのポイント
昔の言い伝えは、現代にはあてはまらなくなっているということですが、注意したいポイントがあります。
実際、雨の日にお墓参りをすることになった場合のポイントを押さえておきましょう。
動きやすい服装で出かける
雨の日は傘をさして片手がふさがり視界も悪くなるので、出来るだけ動きやすい服装で出かけましょう。
また、靴も滑りにくいものや慣れた靴、濡れたり汚れるのが心配な場合は長靴を履いて出かけることをおすすめします。
さらに家を出る前に洋服や靴に防水スプレーをふっておくことで、雨や汚れもつきにくくなりますよ。
傘以外にカッパやレインコートなど両手を空けることができる雨具を持参すると便利です。
転ばないように注意する
雨が降ることで、お墓に向かう道がぬかるんでいたり、水たまりがあったりするので足元には十分注意しましょう。
特にお墓に使われている石は、新しいものほど表面が綺麗に磨かれていて、水に濡れることで滑りやすくなっています。
片手に傘を持ち、反対の手にはお墓参りの道具などを持っている状態で足を滑らせたら、場合によっては大ケガにつながります。
もしもドシャ降りであったり、お墓まで行くことが不安な状況であれば、もちろんその場合は日を改めましょう。
雨でもお線香はお供えする
雨の日だとお線香のお供えをするべきなのか悩みませんか?
お線香に火をつけてもすぐに消えてしまうことがありますが、実は短い間でも火を灯すことに意味があります。
お線香の煙には、その場のお清めをするという意味があり、香りは仏様の食事になるとされているからです。
最近は、マッチやライター以外に、火をつけるのに便利な線香用の着火グッズも出ていますから、火をつけて線香をお供えしましょう。
お線香が途中で消えてしまった場合は、お参りが終わったら下げてしまって問題ありません。
燃え残ったお線香は持ち帰ってお墓をきれいに保ちましょう。
雨の日にお墓参りをするメリット
以上、注意点がいくつかありますが、その一方でメリットもあります。
雨の日はお天気のときよりもお墓の掃除がしやすいということです。
すでにお墓が濡れているため、汚れが落ちやすくなっています。
スポンジやタオルなどで拭くだけでキレイになるので、お掃除のチャンスの日でもありますよ。
ただ、雨の中でのお墓掃除は、晴れている日に比べてとても滑りやすくなっていますので、いつも以上に注意を払って掃除をしましょう。
なお、両手が使えるようにカッパを着用することをおすすめします。
さらに上着とズボンが分かれているタイプにすると動きやすいですよ。
さて、スピリチュアル的に雨はどのような意味があるのかご存知でしょうか。
実は、雨は気を浄化するものとして捉えられていてマイナスな意味はありません。
浄化された環境で、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えられるということは良いことではないでしょうか。
また、お墓参り前やお墓参り中の雨は、ご先祖様からの歓迎のサインでもあるそうです。
まとめ
ここまで雨の日のお墓参りについてお伝えしました。
結論としては、雨の日にお墓参りに行くのは問題ない、「雨の日のお墓参りは良くない」という言い伝えは現代では当てはまらないということでしたね。
最後に注意したいことのポイントとメリットを振り返ってみましょう。
【雨の日に注意したい3つのポイント】
- 動きやすい服装で出かける
- 転ばないように注意する
- 雨でもお線香はお供えする
【雨の日にお墓参りをするメリット】
- すでにお墓が濡れているためお墓の掃除がしやすい
- 浄化された環境でご先祖様に感謝の気持ちを伝えられる
お参りをしたいという気持ちこそが、とても大切なことです。
雨の日でも、お盆に予定されている方は無理のない範囲でお墓参りに行かれてくださいね!