夏でも長持ちするおすすめ仏花7選

仏花 夏1

夏は、植物の緑が濃くなり旺盛に発育する時期ですが、切り花にとっては、過酷な季節。

気温が高いと植物は活発に呼吸をするため、切り花は早めに老化してしまうのです。
 
せっかくお供えした仏花も、夏場は早めにダメになってしまいます。

それでも、長持ちしやすい種類を選び、お手入れを工夫をすることで、きれいに咲く期間を延ばすことができます。

ここでは、夏におすすめの7種類の花や切り花を長持ちさせる方法をご紹介します。

目次

スターチス 

仏花 夏1

花言葉「変わらぬ愛」
日持ち:約3週間

「スターチス=長持ちする花」と言えるぐらい長く咲き続けてくれる花、仏花としてもおなじみの存在です。

スターチスの花は、よく見ると星のような形が集まって咲いていますが、名前の由来は星ではなく、ギリシア語の「statizo(止める)」。

かつて下痢止めとして用いられる薬草だったことから、この名がついたのだそう。

花の色には、よく見かける紫色だけでなく、レモン色、白、ピンク、水色など、豊富なバリエーションがあります。

デンファレ

仏花 夏1

花言葉「お似合いのふたり」「有能」
日持ち:約3週間

デンファレは、仏花の花束に含まれていることはあまりありませんが、切り花としては定番のランの仲間の花。

熱帯雨林気候のニューギニア原産で暑さに負けることがなく、とにかく長持ちしてくれるので、夏の仏花のレパートリーにもおすすめの花です。

「デンドロビウム・ファレノプシス」という正式名称を「デンファレ」と略した呼び名が一般的になっています。

紫色の切り花が多く流通していますが、ピンクや白、黄色のデンファレもあります。

アンスリウム

仏花 夏1

花言葉「情熱」「印象深い」
日持ち:約2週間

アンスリウムは熱帯アメリカ原産で、いかにも暑いところの花という雰囲気。

特徴的なハート型の花びらのような部分は、「苞(ホウ)」という葉が変形したものです。

アンスリウムは暑さに強く、日本の厳しい猛暑にも安心して飾ることができます。

仏教のルーツも、暑いインド東部にあるためか、熱帯のアンスリウムは仏壇にも違和感なくなじみます。

鮮やかな赤色が苦手な場合には、淡い色のアンスリウムがおすすめです。

白や薄いサーモンピンク、ライム色など、色が変わると花のイメージもガラッと変わります。

アルストロメリア

仏花 夏1

花言葉「持続」「エキゾチック」
日持ち:5日〜2週間程度。

アルストロメリアは仏花としても流通している花。

名前は知らなくても見たことがある人も多いかもしれません。

南アメリカ原産で「ペルーのユリ」と呼ばれることもあります。

花のかたちはユリに似て、斑点模様があるのが特徴です。

花の色は、オレンジ、ピンク、赤、白、黄色など。

茎の下の方にある葉は、生ける前にカットしておくと細菌が発生しにくくなり、長持ちします。

リンドウ

仏花 夏1

花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」
日持ち:約2週間

リンドウの涼しげな青色は、夏の暑さを和らげてくれるかのようです。

日光を好む性質なので、切り花のリンドウも日当たりのあるところに置くとよいでしょう。

また、乾燥が苦手な花なので、茎は切り口の面積が大きくなるように斜めにカットし、吸水させる工夫をしてみましょう。

できれば、1日おきぐらいに茎を切り戻すと、茎の吸水力を損ねることなく、花を長持ちさせることができます。

ヒマワリ

仏花 夏1

花言葉「憧れ」「あなただけを見つめる」
日持ち:約4日〜1週間

夏を代表する花、ヒマワリはその黄色から、仏花としてもおすすめできます。

仏花の色のルールには「白、黄色、紫」の3色か、「白、黄色、紫、赤、ピンク」の5色という2パターンがあります。

そのどちらにも黄色は含まれており、ヒマワリは仏花に向いているといえるのです。

長持ち度は、今回紹介する中では少し低めですが、あるコツを試すと長く持たせることができるでしょう。

それは「花瓶の水をかなり少なめにすること」

これは「浅水(あさみず)」と呼ばれる方法で、後でくわしく紹介します。

カスミソウ

仏花 夏1

花言葉「無垢の愛」「感謝」「幸福」
日持ち:約1週間〜10日

小さな白い花をたくさん咲かせるカスミソウ。

比較的長持ちしますが、切り花のカスミソウは数日で枯れる花が出てきます。

花がとても小さいのであまり目立ちませんが、乾燥して黄色っぽくなった花は枯れています。

この枯れた花をこまめに取り除くことで、カスミソウはさらに長持ちしやすくなります。

夏に長持ちしない花は?

あまり長持ちしない切り花として、下記のような種類が挙げられます。

  • バラ
  • ダリア
  • ガーベラ
  • スイートピー

ただでさえ花が長持ちしにくくなる夏場には、選ばない方が良い花といえるでしょう。

花の持ちがよくない理由としては、花が大きめで栄養をたくさん必要としてる(バラ・ダリア)、茎に毛が生えていて細菌が発生しやすい(ガーベラ)、湿気に弱い(スイートピー)などがあります。

花瓶の水換え 

夏は、1日1回水換えするだけでは足りないと思っておいた方がいいでしょう。

切り花を長持ちさせるためには、1日に3回でも4回でも水を換えるのがおすすめです。

鉢植えの花は、水のやりすぎは根腐れの原因になりますが、根がない切り花の場合には、たくさん水換えをするデメリットはありません。

水を新しくするだけでなく、1日に1回は、花瓶の内側についたヌルヌルした汚れをスポンジでしっかり洗浄しましょう。

汚れは細菌が繁殖する原因になります。細菌は、切り花が水を吸い上げる力を奪ってしまうので、発生させないように気をつけなければいけません。

切り戻し

切り花は、日が経つにつれて、切り口の方から傷んできます。

切り口は、水を吸い上げるための大切な部分。

傷んだところを切ることによって、新しい切り口が生まれ、切り花はまた水を吸い上げるようになります。

このように、切り花の茎を切る手入れを「切り戻し」と言います。

切り戻しをするときには、ボウルに張った水の中で行うと、水を吸い上げる管をつぶすことなくカットできます。

園芸用のハサミでなくてもかまいませんが、切れ味の良いハサミでスパッと切ると、水の吸いあげをよくすることができます。

花瓶に入れる水の量

花を長持ちさせるために「浅水(あさみず)」とも呼ばれる方法があります。

「浅水」にすることで、茎が水に触れて傷み、そこから細菌も発生することを防ぐことができます。

花瓶の大きさにもよりますが、「浅水」にしたい場合、水の高さが、3〜4㎝もあれば十分です。

花の中には、「浅水」ではなく「深水(ふかみず)」という方法が向く花もありますので、下記のリストを参考にしてください。

・浅水が向く花…ヒマワリ・ガーベラ・ケイトウなど

茎に毛が生えている花(ヒマワリ、ガーベラ)、茎が腐りやすい花(ケイトウ)は、水と茎が接することが少なくなる方がよいので、特に浅水に向いています。

・深水が向く花…バラ・ライラック・アジサイなどに

 「深水(ふかみず)」は、大ぶりの花を生ける最初の処理として行われたり、花が下を向いてしまったときに試される方法です。

花瓶の高さの4分の3ぐらいまで水を入れ、2〜3時間つけます。

水の高さを高くすることにより、花の切り口には、通常より多めの水圧がかかります。

その水圧を利用して、花に水を吸い上げさせます。

「浅水」か「深水」か?

2つの方法を知ると、どちらを試したらよいのか迷ってしまいますが、切り花の茎が傷みやすい夏場は、たいていの花は「浅水」にした方がよいでしょう。

「深水」は大きめの花の元気を取り戻させるために試す方法なので、基本的には「浅水」と覚えておきましょう。

ただ、「浅水」で水が蒸発してなくなることは、最も避けなくてはいけません。

「浅水」にしているときに、水が蒸発して干からびないように気をつけましょう。

花瓶の水と室内の温度管理

気温が高くなると、植物は呼吸量が多くなる性質があり、早めに老化してしまいます。

そのため、暑いと花や葉がしおれてしまうのです。

それを防ぐには、花瓶の水の温度や部屋の温度を管理することが大切。

仏花を置く部屋がエアコンの効いている部屋なら問題ありませんが、そうでない場合には、花瓶の水に氷を入れておくという裏技があります。

ただし、アンスリウム、デンファレなど熱帯原産の花には、花瓶に氷を入れたり、エアコンで涼しくすることは、逆効果になってしまうことがあるので、気をつけましょう。

花の延命剤

切り花を買うと添えられていることもあるお花の延命剤。

本当に効くのか疑問に思っている人もいるかもしれません。

延命剤には、下記の2つの主成分が入っていることが多いようです。

<ショ糖などの栄養成分>

根から栄養を吸収することができない切り花にとって、延命剤の栄養成分は救世主のような存在かもしれません。

実際、延命剤を使うことにより、つぼみのまま花が開いた例もあります。

量を規定より多く入れてしまうと、水が汚れる原因になるので、気をつけましょう。


<殺菌成分>

花が枯れる原因となる細菌の発生を抑えてくれます。

延命剤を使うことにより、水が濁りにくくなり、水換えの頻度を減らすこともできます。

お花の延命剤は、切り花の性質をふまえて作られた有意義なもの。

購入時についていたら、ぜひ使ってみましょう。

切り花を購入後、持ち帰るときに弱ってしまうことが多いので、はじめに花瓶に生けるときから使った方が、花が元気を取り戻しやすくなります。

毎日供える仏花のためには、ボトル入りの市販の延命剤も便利です。

まとめ 

今回は、夏におすすめの花や、切り花を長持ちさせる方法をご紹介しました。

暑い夏でも、仏花をきれいに保つために最後にもう一度、ポイントを振り返りましょう。

【夏におすすめの7種類の花】

  • スターチス
  • デンファレ
  • アンスリウム
  • アルストロメニア
  • リンドウ
  • ヒマワリ
  • カスミソウ

【花を長持ちさせる方法】

<花瓶の水換え>

1日に3回でも4回でも水を換えるのがおすすめ。

<切り戻し>

ボウルに張った水の中で、切り花の傷んだ茎を切って手入れをする。

<花瓶に入れる水の量>

花瓶の水の高さを浅水(3〜4㎝)にすることで、茎が水に触れて傷み、そこから細菌も発生することを防ぐことができる。夏場は、たいていの花は「浅水」にした方がよい。

<花瓶の水と室内の温度管理>

暑いと花や葉がしおれてしまうため、部屋のエアコンや花瓶の水に氷を入れるなどして温度を管理することが大切。

<花の延命剤>

栄養成分と殺菌成分が入っているため、はじめに花瓶に生けるときから使った方が、花が元気を取り戻しやすくなる。

長持ちしやすい花を選び、水換えや切り戻し、温度管理などのお手入れをすることで、さらに長く美しい花を楽しむことができるでしょう。

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