あなたは先祖供養の方法が変化していることをご存知ですか?
多くの方々にとって供養といえば、お墓参りをしたり仏壇に向かって手を合わせることだと思います。
ただ、お墓参りになかなか行けなくて気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、最近は核家族で暮らすようになり、仏壇はご実家にはあっても、自分の家にはないという方も。
そもそも供養するために、お墓や仏壇がないといけないの?という疑問を持つ方もいらっしゃいますよね。
そこで、今回はご自宅で行える先祖供養についてお伝えしたいと思います。
知っておきたい先祖供養の意味とその効果とは?
ご先祖と聞くと、はるか昔の人をイメージするかもしれませんが、家系の一番初めの方から亡くなったご家族やご親族もすべて指します。
今の自分があるのは、何代にもわたるご先祖様の存在があってこそですね。
先祖供養の目的は、そんな命を繋いでくれたご先祖様へ感謝をし、ご冥福をお祈りすることです。
では、先祖供養をすることで、どのような効果があるのでしょうか。
仏教には「回向(えこう)」という考え方があり、先祖供養を行うことで、私達にも徳が返ってくるとされています。
具体的には、仏壇やお墓でお祈りしたり、僧侶にお経をあげてもらい、それに対してお布施をして感謝することなどが、この世で功徳を積むことになります。
その功徳は、亡くなった方に回し向けることになり、成仏の助けとなるそうです。
また、今の自分がいることに感謝し、ご先祖様を供養することで、命の大切さを改めて感じることができるかもしれませんね。
先祖供養は、お墓や仏壇の前で手を合わせたり、お寺でお経をあげてもらったりすることの他に、さまざまな方法があります。
それでは、その方法をみていきましょう。
自宅でできる先祖供養の方法
先祖供養には、特別なお寺での儀式や設備が必要なのでは?と思う方もいらっしゃいますよね。
先ほどお伝えしたように、先祖供養の大切な目的は、ご先祖様を敬い感謝の気持ちを伝えることです。
そのためにわざわざ儀式を執り行なう必要はなく、ご自宅で日頃からお仏壇に手を合わせて感謝の祈りを捧げるのも、先祖供養になっているのです。
それでは、仏壇を含め他にもご自宅でできる方法を紹介します。
仏壇に位牌をまつりお参りする
仏壇は、信仰する宗派のご本尊と、ご先祖様の位牌をまつるためのものです。
位牌は、故人の戒名や死亡年月日を記し、霊魂が仮に宿る場所とされています。
ご自宅での供養の基本となる大切な場所とされ、手を合わせる小さなお寺という考え方もあります。
私たちは、位牌を通して故人を思い、供養をすることができるということですね。
ただし、宗派や地域によっても位牌に対する考え方が違っていて、浄土真宗では、仏壇はご本尊をおまつりする場所という考え方が徹底されていて、基本的に仏壇に位牌を安置しません。
仏壇にお供えものをして供養する
実は、毎日供える基本的ものが5種類あることをご存知ですか?
5種類のお供え物を「五供(ごくう)」と言いますが、具体的には、お香(お香、線香)、お」花、灯燭(とうしょく)(ロウソクの灯火等の明かり)、浄水(水、お茶)飲食(おんじき)(ご飯)です。
それぞれに役割がありますので、覚えておくと良いでしょう。
お線香や抹香(粉末状のお香)は、お供えした人や周りの人の身も心も清められるものといわれています。
そしてお花は、その花のように心を清くいてほしいという仏様の教えであり、仏様は、供えられた花の香りも召し上がるそうです。
灯燭は、仏様の知恵をあらわしている光明にあたり、その明かりが拝む人の心の闇や煩悩を照らし出して、その全てを取り除くとも言われています。
お水やお茶をお供えする浄水ですが、「死者は喉が渇く」とされ、欠かせない大事なものと受け止められてきたそうです。
また、透き通った水は、けがれなき浄土を象徴するものという意味もあるとか(浄土真宗は異なります)。
飲食には、満足に生活できていることに感謝を表し、また同じ食べ物を供えることで、仏様やご先祖様と繋がることができるという役割があるそうです。
お供えをする際の順番としては、最初にお水(またはお茶)と、炊き立てご飯の一膳目をお供えします。
次に、新鮮なお花を花立てにいけるか、または花のお水を差しかえます。
最後にろうそくに火を灯し、線香やお香をお供えして仏壇へ手を合わせます。
ただ慌ただしい朝の時間などに、毎日ご飯を炊いてお供えすることに負担を感じるかもしれませんね。
1日1回炊いてお供えするのが理想的ですが、ご飯を炊いた時に、炊きたての最初のご飯をお供えすれば良いそうです。
負担を感じて、感謝の気持ちを失ってしまうことがないよう、無理をせずに続けることをおすすめします。
仏壇がない時はどうしたら良いの?
時代の移り変わりとともに、仏壇を設置するスペースがないなどの生活スタイルの変化や、経済的な事情などから仏壇を置けないご家庭が増えているようです。
ただ最近は、新しいタイプの仏壇が次々と登場し、玄関やリビングなどに安置できる、家具のようなデザインのミニ仏壇を購入される方もいらっしゃいます。
仏壇のデザインは変化しても、心のよりどころとして、故人へ手を合わせる場が欲しいという気持ちは変わらないということですね。
しかし、ご先祖様を偲ぶ気持ちがあれば、しきたりや習慣にとらわれなくても良いという考えから、仏壇もお墓も持たない手元供養を選ぶ方も多くなってきています。
手元供養とは、お墓や納骨堂に遺骨を納めて供養するのではなく、ご自宅で管理して供養するものです。(自宅供養とよばれることもあります)
遺骨は四十九日の法要が終わったら、お墓や納骨堂に納めるのが一般的でした。
近頃は、故人のことを身近に感じていたいという想いから、また、お墓参りが難しい、あるいはお墓を建てることができない、お墓を閉める必要があるといった方々も手元供養を選択されているようです。
手元供養の具体的なものとしては、遺骨を納める骨壷があります。
その中でもミニ骨壺は世代を問わず人気があり、形や色、素材のバリエーションが豊かで部屋のインテリアになじむよう、デザイン性の高いものが揃っています。
一見して遺骨が入っていることがわからない、ぬいぐるみや人形タイプのもの、遺骨や遺灰を加工した陶器のプレートや花器などの商品も。
インテリアとして部屋に飾れば、毎日の暮らしの中でも故人を感じることができますね。
また、より故人を身近に感じられるものとして、遺灰を納めるペンダントやブレスレット、指輪やキーホルダーなどアクセサリータイプのものがあります。
他にも遺骨そのものをダイヤモンドや樹脂、セラミックなどへ加工するなど、遺骨をアクセサリーにする技術は進化し、選択肢が増えているようです。
繰り返しになりますが、何よりも大切なのは、ご先祖様を想う気持ちです。
たとえ位牌や遺骨、仏壇がなくても、例えば写真を飾り、そこにお花や故人が好きだったものを供えて感謝の気持で手を合わせるだけでも供養になります。
ただし、手元供養は、新しい供養の方法であるため、ご家族の理解を得られないことも考えられます。
まずは、周囲の方としっかりと話し合うことをおすすめします。
まとめ
今回は、先祖供養とはどういうものなのか、またご自宅での先祖供養の方法をご紹介してきました。
最後にもう一度まとめとして一緒に振り返ってみましょう。
【先祖供養の意味とその効果とは?】
- 先祖供養の目的は、そんな命を繋いでくれたご先祖様へ感謝をし、ご冥福をお祈りすること
- 先祖供養を行うことが、この世で功徳を積むことになり、その功徳は成仏の助けとなるだけでなく私達にも徳が返ってくるとされている
【自宅でできる先祖供養の方法】
- 仏壇に、毎日お香、お花、灯燭(とうしょく)、浄水(水、お茶)飲食(おんじき)の「五供(ごくう)」を供えてお参りする
- 仏壇がなくても、遺骨を骨壷に納めて管理したり、遺灰をアクセサリーに納める手元供養という方法や、写真を飾り、そこにお花や故人が好きだったものを供えて感謝の気持で手を合わせるだけでも供養になる
これまでは仏壇に毎日手を合わせたり、お盆やお彼岸にはお墓参りをするのが一般的でしたが、最近では、ご自宅に祈りの場所を持つことを選ぶ方が増えているようです。
さまざまな供養方法がより一般化しつつあり、自分に合った方法を選択しやすくなるのは嬉しいことではないでしょうか。
ただし先祖供養で大事なのは、やり方ではなく、自分に命をつないでくれた方々へ感謝の気持ちを表すことです。
ご家族や親族と相談しながら、心を込めた先祖供養をしていきたいものですね。
お花をお供えする際には、仏壇や花瓶がなくても簡単に飾ることができる、ふらなむの「ハートフルフラワー」を是非ご利用ください。